逆カルチャーショック。長期滞在後に日本に帰国して感じるギャップ。

study abroad

わたしの留学体験記シリーズ、第一回目は逆カルチャーショックの話です。

6月も後半に入りました。コロナパンデミックが落ち着いて今年に入ってやっと留学生活が叶ったという方も多いのではないでしょうか。欧米圏の大学は6月がアカデミックイヤーの最後の月、7月に試験が残っているという人も多いと思いますが、交換留学などの海外生活から帰国の準備が始まる時期でもあると思います。

日本に帰ったら、あれ食べよう!あの人に会いたいな!と楽しみにしているかもしれません。私も初めて日本を出て、デンマークで1年暮らした時にそんな風に思いました。まぁ私の場合は、食べ物のことばかりでしたが。笑。

自分でも驚いたのですが、実は逆カルチャーショックというのを経験しました。

逆カルチャーショックってそもそもなに?

カルチャーショックは耳馴染みのある、日常の言葉だと思います。では、“逆”カルチャーショックとはどういうことを指すのでしょうか?

異国生活にすっかり馴染んでしまって、母国の文化や環境に強い違和感や心理的衝撃を受けること、を意味する語。自国文化に対するカルチャーショック。長期海外滞在から帰国した際などに起こりやすいとされる。

実用日本語表現辞典

自分の国なのにそんなこと起こるわけ…

それが実際あったんだよねってはなし!

そんなわけで、2017年2月の一時帰国時の日記を当時のはてなブログ記事から抜粋します。

私が感じた逆カルチャーショックを2017年の日記から振り返る

逆カルチャーショック。日本に戻るってそういうこと 

2017年2月9日

こんばんは。なんだかご無沙汰しております、無事日本に戻ってきましたkikiです。

カナダでの日々もまだまだ回想録として書いていきたいと思いますが、

今回は帰国あるある。逆カルチャーショックのお話。

長期滞在を経ての帰国は今回が2回目の私は、帰る前から覚悟していました、きっと来るであろう逆カルチャーショック。なんのこっちゃ?と思われるかもしれませんが、長いこと文化の違う場所で生活すると、母国であり自分の母国語であるはずの色々なことがまるで海外で生活を始めた時のように「異様」に感じられることがあります。これが私が差すところの逆カルチャーショック。

デンマークからの帰国時のそれは、とにかくひどかった逆カルチャーショック

今でも鮮明に覚えているくらい、強烈な経験でした。

どんなことかというと。

  • 日本の空港に着いた瞬間からインフォメーションの多さに驚く
  • 出会う接客のマニュアル感に冷たさを感じる
  • 接客もインフォメーションも「私は言いましたあとは自己責任」と感じる
  • 電車やバスで見かける日本人の笑顔のなさに驚く
  • 異常な綺麗さと明るすぎる蛍光灯に疲れる

もう空港から家に向かうだけの間でこれだけのことを感じました。

そして今回もご多分に洩れず、また同じことを感じました。

でも2回目なのでなんだか「キタキタ〜これだよ!」という感じです。笑

そうそう、日本ってこうだったよ、と。

前回から成長した点といえば、日本の友人や知人に会っても違和感がなくなったことでしょうか。デンマーク後はまだ若かったのと、初海外生活後で浮き足立っていたのと、おそらく今回の比ではない逆カルチャーショックにより、いろんなことを切り刻んでおりました。もう毎日が一人で「ここが変だよ日本人!」状態でした。

*若い人は知らないですよねこのテレビ。

ちなみに6年オーストラリアに住んでいる我が弟は2年に1度くらい日本に帰ってくるのですがそのたびに「ロボットの国、日本」という言葉を残していきます。

「日本人って表情少ないし、接客が一辺倒でロボットみたい」だそうです。

確かに、日本人って知らない人と目があってニコッと笑いあう文化ではないですしね。

彼はいつも2週間ほどでオーストラリアに戻ってしまうので、「表情のある日本人」に出会えないんですね。

これ、時間が経つと気にならないです。確かに帰国後2〜3週間はなんだかみんなが無表情に感じるのですが、ふっと気にならなくなります。多分自分が馴染むんでしょうね。だって日本人だし、私。笑

ですが、前述したように今回は、というかおそらく今後はもう全てに対して

「日本に戻るってそういうことだよ」

そんな感じで逆カルチャーショックも柔らかいもんです。もはや住む場所が変わるぐらいでは、ひっくり返るような刺激にはならないようです。うまく表現できないのですが、目の前にトロントの街並みがあろうが、東京の街並みがあろうが、もう同じというか。相手が日本語だろうが英語だろうがデンマーク語だろうが同じです。

周りの環境が変わっても私の好きなことや感じることは根本的に変わらないのかもしれません。鈍感になっているのか、ただの経験値なのか心配なところです。

ただいつも変わらないことは、平和な日本にいると、世界は平和じゃないのにという不思議にぶつかります。

2017年当時の日記を振り返っても、2回目だったこともあり自分なりに逆カルチャーショックへの対処法というのを見つけていた印象があります。ここでも書いている通り、2012年にデンマークから帰国した時の方がギャップは大きかったようです。やっぱり最初の滞在が心身共に変化が大きかったようです。

逆カルチャーショックと上手に付き合う方法

逆カルチャーショックはあなたが成長した証拠

この記事を書くときに、あっこの写真がテーマにぴったりだなと思ってブログタイトルの画像を選びました。何が広がっているかわからない海を、あなたはあなただけの目/レンズを構えて覗けるようになったのです。レンズだけになると、自分が眺めている海自体の広さや、自分が海という広い空間のどこにフォーカスを当てて覗いているのかの全体像がつかめると思います。

日本の外側に出て、あなたは日本という場所やあなたの国について、すこし客観的に捉えることができるようになったのです。それはあなたが新しい世界に飛び込んで、あなたの目で、手で実際に世界に触れたから起きた現象です。あなたが成長した証拠です。逆カルチャーショックは、あなたがそれだけ海外で頑張って生きてきたことの証拠でもあります。実はポジティブな現象なんです。

日本で生活していると、当たり前だったことも実は違う方法や考え方があることを知ったから、今まであった方法や手段に違和感が起きているのです。

逆カルチャーショックをうまく和らげる方法

逆カルチャーショック状態にいると、以前は上手に付き合えていたコミュニティの中でちょっと違和感を感じる時期があるかもしれません。そういう時にそのコミュニティの中で違和感を訴えるのはおススメしません。これは私の経験なのですが、そこでうまく気持ちが伝わらないと「海外かぶれ」のレッテルを貼られてしまうことがあります。

でも考えてみれば、相手は私たちの感じる違和感が検討もつかないので仕方がないんです。極端な例ですが、例えば以前は話題にすら上がらなかったのに、帰国したとたん一緒にスタバに行って、「日本のスタバはアレンジ少ないな~サイズも小さいしさ、NYのスタバはもっとラフでさぁ~」とか言われても、NYのスタバを日常使いしてなかったら、ちょっとピンとこないと思います。

なんか鼻につく感じの例えを出しましたが、自分は全くそんなつもりないのに、相手にこんな感じに捉えられてしまって気まずくなることがあります。私も、デンマークではくしゃみした人にとこうやって声かけるんですよ~って世間話のつもりで会社のお昼で話したことがあります。その時一緒だった先輩たちが後でエレベータに乗る時に「なんだよ、俺ら日本人じゃん、はっ」と鼻でバカにされていたのを聞いてしまったことがあります。

そんなつもりなかったのに…悲しい…

もちろん、知らない世界を好奇心を持って受け止めてくれる人もいますが、大抵は、自分の全く知りもしないことを話されると、なんだかアレルギー反応があるみたいです。

私のおすすめは、同じ経験のある人やそれこそ違う国籍の人と会う機会をつくっておしゃべるすることです。同じ違和感のある人なら共感を持って話ができるし、なによりその話自体が単なる「あるある」として捉えてくれます。そう、これは「帰国者あるある」なのです。誰かと話すと気持ちも楽になります。たまに、日本が最高!っていう感じの人もいるのですが。わたしもご飯に関しては日本最高!は何か国生活しても変わらなそうです。笑。

逆カルチャーショックが長く続いたときは

実は、私自身も今一番心配なことです。6年日本に一時帰国できていないので、次に帰る時はけっこう大変だろうなと思っています。

でも、2回目の時に悟ったことがあります。

2回も3回も海外生活を経験しているということは、もしかしたらこれが私のライフスタイルなのかもしれないって。つまり、私のライフスタイル自体、日本に無理に縛られなくていいものなんじゃないかなってことです。

海外に出るバイタリティーはもう備わっているわけですから、日本の色々なことに物申しまくらなくてもいいのかもしれません。ある程度のことは、日本ってこういう国だったなでいいのかもしれません。

海外で暮らしていても、おかしいなと思うことはありますから、どんな国で暮らしていても大なり小なりあると思います。

どうしても、拭えない違和感はもしかしたら具体的に仕事などを通して取り組むべきあなたのアジェンダなのかもしれません。わたしも、そういう思いがあって物を書いたり作ったり、発信したりしています。でもあくまで対象は私の友達や家族ではなく、その話を一緒にしてくれそうな人へ向けてです。

逆カルチャーショックが長く続いたときは、それを身近な人にぶつけるのではなく、受け止めてくれる新しいコミュニティをつくることをお勧めします。私もいまから、こっちの友達に「日本で疲れたら話聞いて~」と根回ししています。笑。

極論、もうしんどいわってなったら、あなたには違う国で生活できるという実績があるのであまり心配しないでください。そう思えば、例えばおばあちゃんが私に「結婚、結婚」と小言を言ってきても、「ここ日本だしな~」って適当に流して機嫌を損ねることもありません。

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