【準備】ワーキングホリデービザを申請する前に知っておきたいこと

準備

前回は海外生活の目的について考えてみました。前回の記事はこちらから。

これはある意味でソフト面、マインドの話だったのですが、今回はハード面。

そうお金とビザにまつわるお話です。

まず初めに記事を読まれる前に誤解のないようにお伝えすることがあります。ワーキングホリデーはあくまでもワーク+ホリデーで、就労許可の代わりのビザではありません。働くためにワーホリを使うというのは本来のビザの目的から外れてしまうので気を付けてください。例えば、申請理由などに、「将来移住するため!」とか「仕事を見つけるため!」など書かないようにお気を付けください。

あくまでも、いかに効率的に、メリットを知ったうえでワーホリビザを使うのか。そういうお話だと思っていただければと思います。

ワーキングホリデーのおいしいところ

ワーキングホリデーの最大のメリットてなんだと思われますか?

特別な手順を踏まずとも、ビザに就労許可がついていることです!

逆に言うと、働く予定もなく、語学学校だけでワーキングホリデービザを使うのって実はもったいないんです。

渡航する国によって、条件が異なるので今回はざっくりと説明したいと思います。

まずお伝えしたいことがあります。海外で一番大変なことってなんなのか。

そう、滞在許可…いや、わかりやすく言えば…ビザ、ビザVISA!

※厳密には滞在許可とVISAは別の物を指す場合が多いです。

あっ興奮してしまいました。でもこの気持ち、海外で長く生活されている方ならきっと共感してくれると思います!

エージェントや司法書士にお願いしようが、どこかの親切なマダムがお手伝いしてくれようが、愛するネイティブのパートナーの強力なサポートがあろうが、ビザの取得はまぁ大変です。確かに世界には、さらっとビザを出してくれる太っ腹な国もなきにしもあらず。ですが、大抵は中々にストレスフルです。そしてネックとなるのが、それが就労許可付きなのか?です。

日本で日本人として暮らしていると、どうぞ好きなだけ、いやむしろガンガン働いてくれ。そして税金納めてくれ。そんな環境だと思いますが、それは、その国があなたの母国だからです。

多くの国では、その国の人々(ここでは市民権のある人を指します)が仕事に困らないように労働市場のバランスを見ています。誰でも、何の条件も関係なく働けてしまうと、市民権のあるその国の人々の労働市場を荒らしてしまい、失業率が上がって、社会福祉もうまく回りません。まぁちょっと小難しい話は置いておいて、そんなわけで、私たちが母国の外で、市民権を持たずに働こうと思うと「働ける条件」というのがビザについて回るのです。

例えば、私が暮らしているウィーンで、大学院生だった私が働こうと思う場合には

①週20時間以内の労働という条件付き、もちろんオーストリア国内限定

②①の条件内で雇用してくれるところを探す

③運よく仕事先が見つかったら、まずは労働局に就労許可を申請

④就労許可を取得、1年間働ける

⑤就労許可は毎年更新、学生ビザの更新時にも色々と書類提出(めんどくさい)

となるわけです。私は実際に毎年、毎年、就労許可を更新しています。書類の記入ミスで一度審査に落ちたこともあります。

めんどくさいですよね?めんどくさいんです。

ですが、ワーキングホリデービザでカナダに滞在していた時は、ワーホリビザに就労許可が付帯していたので、仕事を見つけさえすれば、あとは雇用主がちゃちゃっと手続きしておしまいでした。今思うと、本当にすごい!

これはワーホリビザの素晴らしい特典です。

この特典、使えるのは1回だけ

ワーキングホリデーというのは、条件を満たせば延長できる国があるものの少なく、だいたいは1年限定で、そして使えるのは1か国1回のみ。大抵の滞在許可が条件を満たせば延長できるのに対して、ワーキングホリデービザには明確に、平等に1年ないしは長くて2年という条件が付いています。他のVISAに対して割と簡単に申請できるので、とりあえず…という気持ちで手を出してしまうのですが…

このゴールデンチケット、本当に今使う必要があるのか?

もし、あなたが申請できる上限の年齢まで数年あるとしたら(もしギリホリじゃなければ)

答えは、準備できる費用と計画に深く関係してきます。

ワーホリを使うのか、違うビザを使うのか

私が思うワーホリビザじゃなくてもいいパターンの典型は毎日学校に通うことがメインの人、その費用を日本で準備できる場合です。

  • 月曜日から金曜日は毎日学校
  • 滞在期間中は基本的に学校に籍を置いている
  • 週末や祝日に小旅行するつもり
  • 滞在中の衣食住と旅行のお小遣いや学費すべて日本で準備できる

語学学校に限らず、毎日学校に通うことがメインになる人っていると思います。

さらにそのすべての費用を日本で用意できたり、家族がサポートしてくれる場合には、あなたはその場所で働く必要性はなさそうですよね?

ということは、働けるワーキングホリデーを利用せずに、語学学校やその通う学校の在籍証明書で出してもらえる他のビザがあるのかをまず調べるといいと思います。ちなみに、私も最初のデンマークはこのパターンだったのでワーホリは使いませんでした。

追加すると、実はもうひとつあります。

ナニーの仕事がすでに決まっている

ナニーの仕事については、後々別の記事を書きたいと思っていますが、簡単に言うと住み込みのベビーシッターの仕事です。この仕事にはこのナニー用の滞在許可が用意されている場合があるので、そちらを先に調べてみるといいと思います。衣食住が確保されて、語学学校に通える場合が多いので、例えば保育士や看護師などをされていた方で(仕事なのでもちろん大変ではありながら)ホームステイに近い環境に抵抗がなければ、検討してみてもいいのではないでしょうか。

→これらは、ワーホリ以外のビザでも滞在できる可能性があります。

逆にワーホリビザが最適なパターンもあります。

  • その国で何かするのは、この1回だけと決まっている
  • 衣食住の費用は現地で働いて調達したい
  • すでに滞在する国で必要な語学が身についていて、バイトぐらいできる
  • 調べ物があまり好きじゃない、得意じゃない
  • 学校に通う予定はない
  • 現地に暮らす恋人と生活するために渡航する
  • そこで何をするのかは行ってから決めたい派
  • ワーキングホリデービザが申請できる最後の歳(ギリホリ)

私はカナダの時に、カナダは1年だけ、そしてギリホリ、費用も調達したい!という理由からワーホリビザを利用しました。特に申請のタイミングがギリギリだったというのも大きかったです。実際に滞在の半分は働いていたので、ワーホリビザの利点を最大限に利用できたと思っています。

学校に在籍していることで滞在許可を貰うと、途中で辞めることが難しくなります。そういうことに縛られずに、かつ長期滞在したい場合にもワーホリは最適です。なんせ“ホリデー”が付帯されているわけですから、自由度が高いです。

国際恋愛で遠距離からのステップで利用しているという人もけっこういます。現地で恋人と過ごす時間がメインなわけですから、ちょうどいいと思います。

将来その国で働くことを夢見ているならタイミングが大事

厳密なことを言うと、ワーホリだと滞在期間1年丸々「働くだけ」「学校に行くだけ」が出来ない国や場合があります。ですが、それでも魅力的なのは、すでに就労許可を持っていることです。

就労許可を取るのはそんなに簡単なことではありません。雇用する企業側が外国籍の人を正規で雇う場合には大抵ほかの市民権を持っている人よりも費用が掛かることが多いです。もちろん追加で書類の提出や更新などの事務手続きもあります。よっぽどあなたに魅力があるか、もしくは雇用主がそういう状態に非常に慣れている場合でないと、面接で最後の2人に残ったときに選んでもらないこともあります。それが理由で採用までたどり着かなったという人の話を聞きます。もちろん雇用主側もあなたは外国籍だからとは言いません。そんなこと言ったら裁判になっちゃうかもしれませんからね…。ただ事前に労働許可のある人、という条件は求人の際に記載されていることが多いです。

なので、例えば、将来その国で働きたいと思ってて、まだ申請まで猶予がある場合には、そのために取っておくのもアリです。

  1. 語学学校にまずは通う→語学学校でビザが出るならそれがベスト
  2. 語学学校を修了するタイミングで、仕事探し→現地でワーホリに切り替える
  3. 就労許可を持っているアドバンテージを生かして一旦就職
  4. 上手くいけば、ワーホリから就労ビザに切り替える

自分が今こそ働けるぞ!という条件(特に語学など)が揃ったときにワーホリビザの特典を生かすのは、夢に近づく賢い方法だと思います。

ビザ関係は調べただけ可能性が広がる

もうここまで読んで、めんどくさい!という方もワーホリビザが合うパターンです。色々な記事に目を通してくださっていたら、誤解ないかと思うのですが、

背伸びしない計画が一番大切です。

色々な話に耳を傾けるのは大切ですが、自分がそれに対応できるかな?というのが最重要事項ですし、そもそもここまで考えずにワーホリビザを取る人がほとんどです。それでも大丈夫です。もちろん。

海外生活を通して、知識がだんだん増えていきます。自分がこういう、日本以外の国と関係を持つことをまたやりたいと思ったり、実際の生活の中に入り込んで来たら、おのずとビザ問題に関心も出てきて、めんどくさいけど、やってみる!というようになります。というかやるしかなくなることもあります。苦笑。

なんにせよ、まだ渡航まで時間がある方が、知りたいなと思っていて、そのお役に少しでも立てれば嬉しいなと思い記事を書いています。

今日も読んでくださってありがとうございます。

※この記事のbehind、個人的な思いははてなブログで公開しています。よろしければそちらもご覧ください。

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