英語が話せないと海外で生活がしたいは別のお話というのを書いた記事の続きです。
今回は、どうやって目的を定めるの?という話です。
留学やワーキングホリデー、ましてや移住しようと思う人の話を聞くと
「留学したい!」
「ワーキングホリデーしたい!」
「移住したい!」
が合言葉のようで、それ自体が目的のような気がしてしまうと思います。でも実際、ワーキングホリデーも留学も手段です。つまりその前後に大事なことが隠れていると思うのです。何が隠れているかを考えるのが大事です。そうすれば、おのずと手段として留学がいいのか、はたまたワーキングホリデーか、もしかしたら3か月くらいの旅行のほうがいいかもしれないということに気がつけると思います。
これは見落としがちなのですが、留学やワーキングホリデーは永遠に続きません。
どこかで終わりがやってきます。でも人生はそのあとも続いていきます。
今もし大学の3年生やすでに新卒で就職していたり、すでにキャリアを積んだ人にとって、その後のことをぼんやりとでもイメージするのは大事なことです。そうすることで、将来の不安が少し軽くなって、逆に海外で生活してみることに一歩踏み出せたりします。もちろん、人生計画通りにはいかないので、運命の人に出会ったり、最高の友達が出来たりして全く想像もしていなかった道に行くことは多々あります。それはそれで、むしろラッキー!パターンですから。そういうミラクルパターンは一旦置いておいて、ここは手堅くいきましょう。
では具体的にこの留学、ワーキングホリデーは何にサンドイッチされているのか考えてみました。サンドイッチ…というかハンバーガー…を一つずつステップ1から4に分解してみましょう。
どうして日本から出たいの?
大義名分とかいりません!要らないと思う!
誰かに話すことを想定しないで、素直に自分に問いかけてみてください。「わたしどうして日本から出てみたいって思ってるんだろう」って。
例えば…
- このモヤモヤは日本が合わないからかなぁ
- 毎日同じことの繰り返しで退屈だな
- 海外旅行が大好きだから
- リフレッシュしたいな
- キャリアアップしたいな
- 恋人と別れてから中々立ち直れない
- 誰も自分を知らないところにいってみたいな
- 日本で恋人ができたことがないんだよな
- 新しいことを勉強したいけど、日本だと人の目が気なって…
etc…….
恋人と別れたからとか、日本が合わないとか、そんな曖昧な理由でいいの?と思われるかもしれませんが、これは私が実際に海外生活で出会った日本人の人がこっそり打ち明けてくれた本音たちです。案外、長く付き合っていた人と別れて…という人も多いし、とにかく旅行が好きで!という人にもたくさん出会いました。日本で中々人と恋愛に発展しずらかったという人が案外、違う文化圏だと合う人に出会えたという話も聞きました。
もっとこう、英語がペラペラになる!とか。キャリアップ!とかイメージされてたら、あっそんなもんでいいのかな?と思いませんか。私も最初のデンマークは、日本が合わないのかな…とか、誰も知らない所に行ってみたいな…という割とネガティブな本音が出発点でした。最初の入り口は、自分に素直になることが大事だと私は思います。
なぜならここで人の目を気にして大義名分を掲げてしまうと、背伸びしたプランを準備することになるからです。ただでさえ、まったく新しい土地での生活は大変なのに、さらに背伸びしたプランをやり切るなんて、上手くいく気がしないじゃないですか?
ファーストステップは、独り言。ただ素直に自分とお話してみてください。
新しい場所でなにがしたい?どうやって?
さぁ、少し具体的にしていきましょう。最初のどうして?からつなげるのがポイントです。
- 日本が合わないかもしれないなぁ→違う国で文化や人に触れて確かめてみたい
- 毎日同じことの繰り返しで退屈だな→日本では体験できなことを海外でしてみたい
- 海外旅行が大好きだから→安く色々なところに旅行にいける国がいいかな
- リフレッシュしたいな→趣味や好きなこととつながりのある国がいいな
- キャリアアップしたいな→具体的に何が必要かな?語学?経験?
例えば、日本が合わないな…という気持ちが渦巻いているときは、実際に違う国で生活してみると「案外日本も悪くなかったな」と思うかもしれないし、「おぉ予想通り、私は日本以外のこの国だともっとのびのび生きていける」となるかもしれません。
でもそのためには、その国で人や社会に触れ合う必要があります。違う国へ行っても日本のコミュニティの中に居たら、日本に居るのと変わらなさそうです。それではあなたのモヤモヤは解消しないかもしれません。
ということは、ここで語学の必要性が出てきます。その国の言語か、もしくは汎用性を考えて英語を多少学ぶ必要がありそうです。
おっ!ということは一つ準備することが分かりました。日本で語学の準備をしていくか、もしくは現地で語学学校に通う必要がありそうです。誰かに習うということはそれなりにお金もかかりそうです。
ここまでくると、滞在期間の中心が見えてきました。
何がしたい?→日本が合わないなというもやもやを解消する
どうやって?→違う国の文化や人と触れ合うために、まずは語学学校で語学を学ぶ
ということは準備するのは?→ワーホリ対象年齢であれば、ワーホリ協定国から調べてみる。
語学に不安がある前提でここまで進めていますが、もしすでに使える言語があるのであれば、話はもっと簡単です。その言葉をつかえる国で留学や就職も含めて何ができるかを考えるのです。さて、ステップ3へ。
具体的にどんな手段でやれそうか考えてみる
ここからは具体的に手段について調べていきます。
言語の壁がある場合は
- ワーキングホリデーは対象外国→語学学校に通うとビザが出るか調べる
- ワーキングホリデー対象国で興味のある国がある→具体的に調べる
言語に不安がある状態でいきなり留学や就職はちょっとプレッシャーがあるかもしれないので、ワーキングホリデーを軸に最初は調べてみるのはどうでしょうか?
国や地域の名前が上がり始めれば、ここからは具体的な準備に入れます。
調べていくうちに、ビザのことが少しわかってくると思います。すると、おっ語学学校に通っている状態でもビザが出る国もあるんだな?なら、ワーキングホリデーの前にそれもいいかな?と色々と新しい選択肢も出てくると思います。
もし、言語の壁が立ちはだからない場合は、今やっていることが違う国でもやりたいのか?または全く新しいことにチャレンジしたいのか?いやいや、ちょっと休憩したいのか?を考えてみましょう。
- 今やっていることが違う国でもやりたい→海外就職やインターンシップ
- 全く新しいことにチャレンジしたい→留学、ワーキングホリデー、短期の語学学校
- ちょっと休憩したい→3か月程度の旅行の延長で滞在、ワーキングホリデー
そこでできそうなことが見えてきましたか?
そしてそれは3か月後、1年後にどんな経験、または成果になりそうですか?
どうなっていたい?
正直なところ、海外に行こう!みたいな大きな決断をして、準備をしているときって、ここまで考える余裕がなかなか無いと思います。
私も、深く考えてきたかと聞かれると、半々だったかなと思います。そう、これは結構難しい問題です。というのも、あまりにもガチガチに計画すると、なんだか面白さが半減しそうだし…かえって不安になるそうですもんね?
ただ、現実的なことはイメージしておくのをお勧めします。というのも
- 日本に帰国したときに住む場所はありそう?
- 日本に帰国したときにいくらぐらいの費用があれば安心?
私はいつも海外に行く前に、特に日本に帰国した最初の無職の期間をどうするかは準備していきます。実家に少しお世話になれて、なんでもいいからアルバイトが見つかったとしても、最初の1か月は貯金を頼りにすると思います。なので、その分は、手を付けないように渡航の予算とは別に確保します。
これもまた、ラッキーパターンで仕事が現地で見つかって、むしろ貯金して帰るなんてこともあります。カナダで私がそうでした。ただ、あまり充てにしないほうがいいなと思います。というのも、海外の雇用形態って結構流動的なところが多いので。
あれ?なんかもっとこう!英語がペラペラになる!とかそういう話かと思ったよ。
もちろん、英語がペラペラになることが目的に繋がる成果ならね!前にも話したように海外に行く=何か目に見える成果じゃないこともあるよね。一番大事なのは「最初の気持ち」じゃないかな?
私もうギリホリなの不安なんだけど…ただ遊びに行くだけって勇気いるよ
そうだよね、その不安だなって気持ちも素直な「最初の気持ち」だから大事なことだよ。きっとあなたの海外生活には成果が必要なのかもしれないね!目的の中に何か成果物を入れたらいいってことがわかるよね。
先のことをイメージすると、経験だけでいいのかな?成果が必要かな?成果があったほうが帰国した時に安心だな。というところまで考えられるかもしれません。
誰でも今までの生活からがらりと変えて、また戻るときには不安があります。そしてその不安だという気持ちも最初にあなたが感じた、忘れてはいけないことの一つです。
また1に戻って、手段を選びなおして計画すればいいと思います。でも先のことをイメージしないとそこまで思いが至らなくて、滞在の後半に急に不安になってしまうかも。だから準備の時にどうなっていたいかをイメージするのが大事だと思うのです。
目的は自分に素直になると見えてくる
気合を入れて、何かを得よう!人生を変えよう!と思って頑張ることを否定しているわけではありません。私も3回の海外生活のうち2回はそんな気持ちでした。でも、初めての海外生活はもっとのんびりとした気持ちでした。そして、今でもそれで良かったなと思っています。語学がペラペラになったり、人に自慢できるような経験はありませんでしたが、新しい世界で暮らしてみて、目の前がとても明るくなって、元気になりました。
それは、背伸びをしないで、素直な気持ちで計画したからだと思います。
最初の国はデンマークでしたが、デンマーク語が話せるようになろう!とか学位を取ろう!とかそんなことは最初から計画しませんでした。それよりも、その時の鬱々とした気持ちを晴らすことが私の人生に必要なことだと思っていました。だから森を散歩したり、海辺でビールを飲んだり、美術館に行ったりした1年間を全く後悔していません。
そこでポジティブな経験ができたから、その後6年の間にカナダへ行って働いて、そしてヨーロッパで大学院まで卒業することが出来ました。
滞在が終わっても人生は続くし、何度でも挑戦できます。
だけど、周りの声に流されて、自分にプレッシャーばかりかけてしまうと、楽しむよりも得ることだけが人生の中心になってしまいます。私は個人的にそれは淋しいなと思います。
ちなみに、海外帰りだから英語ペラペラでしょう?という冗談めいたことを言われることがあっても、そうじゃないんだ!とガッカリされることは案外ありません。
ここだけの話ですが…英語が話せない人は相手が英語が話せたところですごいねぇくらいのことしか言いません。もしそれを相手がコンプレックスに思っている場合には海外かぶれなんて言われてメンドクサイ感じです。驚くかもしれませんが、私もそうやって日本人に嫌味を言われことがあります。何が言いたいかというと、そんなことで態度を変えるような人の話はあんまり重要じゃないということです。
それと、1年やそこらで英語がペラペラになることは稀です。私なんか、ドイツ語と英語で大学院まで卒業して、日常でドイツ語しか使わないのですが、そういう環境にいると逆に常にネイティブと比べてしまうので一生ペラペラだなんて思うことはなさそうです。言語はツールの一つ。出来たらもちろんいいけど、あんまりそのことだけに囚われなくてもいいんじゃないでしょうか。
テンプレートな英語がペラペラ!の呪縛から解き放たれて、自分の素直な気持ちに向き合ってみてください。そのうえで英語が必要だなと思うのであれば、きっと英語の勉強も一生懸命に頑張れると思います。
※この記事のbehind、個人的な思いははてなブログで公開しています。よろしければそちらもご覧ください。