海外では主流なルームシェアの物件の探し方と注意点-ウィーン編

住居

ルームシェアを探す経験って、日本で暮らしていると中々ないかもしれません。
いったいどうやって探すだろう?興味のある部屋を見つけたけど連絡の取り方がわかない。詐欺に逢ったらどうしよう…。


そんな疑問に答えて、ルームシェアの探し方やメッセージを送る時の注意点をシェアします!
今回は、私自身、経験が豊富なウィーンでの探し方を例にします。メッセージを送る際のドイツ語の例文もありますので、ドイツ語圏でルームシェアを探している方にも参考になると思います。

ルームシェア物件を探す方法

ポータルサイトから探す

●WG Gescht

ウィーンのルームシェア情報サイトで一番ポピュラーなのはWG Geschtというドイツのサイトです。サイトのトップページ下のフッターまで行くと、ドイツ全土から、スイスとオーストリアまで網羅していることが分かります。下のリンクはウィーン版まで飛んだものです。

WG Wien : WG-Zimmer Angebote in Wien WG Wien in Wien
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●Willhaben

日本でいうクラシファイドサイトのようなもので、住居も探せます。トップページのImmobilienから飛んで、Wohnung mieten→フィルターでZimmer/WGをかければ、ルームメイトを募集している物件を見ることが出来ます。

Immobilien: Haus, Wohnung, Privatimmobilien, Gewerbeimmobilien - willhaben
Immobilien: Haus, Wohnung, Privatimmobilien, Gewerbeimmobilien und Grundstücke. Immobilien günstig inserieren. 102.504 Anzeigen auf willhaben

●Studium.at

学生をターゲットとしたサイトです。トップページ左上のメニューから、Wohnung/WG→Nur WG-Zimmer→WG-Zimmer in Wienと選んでいくとウィーンの物件が見れます。

Wg-Zimmer in Wien
Tagesaktuelle Wg-Zimmer in Wien - InserentInnen einfach & direkt kontaktieren!

ポータルサイトの良いところは、アカウント同志でやり取りが出来るところです。どれも登録が無料なので、アカウントを作成してポータル上のメッセージサービスを使って最初のやり取りが出来ます。

ポータルサイトの詐欺物件に注意

インターネットで物件を探すこと自体は、もはや普通のことです。
ですが、詐欺物件に気を付けてください。


ルームシェア物件は、現在住んでいる人がいるはずです。物件を見学に行くことで詐欺かどうか見抜けるでしょう。逆に、何かしら理由をつけて入居までルームメイトに会えなかったり、部屋を見学できない場合は気を付けたほうがいいです。

詐欺かも知れない例

例1.何かしら理由をつけて海外送金を要求してくる

例えば、突然別の国で仕事をすることになったとか、夏休みでウィーンにはしばらく帰れないとか。何か理由をつけて、デポジットや家賃を海外送金するよう指示される場合があります。最初の振り込みを確認したら、鍵を送るなどと言われるパターンです。

このパターンは詐欺かもしれません。
実際に私の知り合いがこれと同じパターンの詐欺に遭ってしまいました。

彼女は手ごろなアパートを見つけたので大家さんとコンタクトを取ったところ、長期出張でロンドンに居ると言われました。

でも問題ないよ!ロンドンの僕の口座にデポジットで家賃の2か月分振り込んでくれたら、鍵を郵送するよ!もし、部屋を見て気に入らなかったらお金は返すから心配しないで!

彼女は事前に、物件情報としてもらった住所までアパートを見に行きました。中には入れませんでしたが実際にアパートがあることで安心してしまい、お金をロンドンへ送金してしまいました。
ですが待てど、暮らせどカギは送られてきませんでした。その話を人づてに聞いた友達が詐欺だと気付いて一緒に地元の警察に行きましたが、この手の詐欺で犯人が捕まったりお金が返ってくることはほとんど無いと言われてしまいました。

ウィーンで周りの友人知人で、賃貸契約をする時に大家さんや家を管理している人に会えないという話は聞いたことがありません。リモートですべてを完結するタイプは怪しいので気を付けましょう。

例2.フィッシング詐欺まがいのリンクが送られてくる

近年の新しいタイプの詐欺です。私もニュースで最近読みました。手口は以下のようなものです。


「信頼できる会社を通して」頭金を払うよう促される。
          ↓

リンクが送られてくる。Airbnbを介して使われる手口のようで、Airbnbサイトを装ったフィッシングサイトに誘導される場合が多いみたいです。
          ↓

お金をこのサイト経由で振り込んでしまう。フィッシング詐欺に引っかかる。

例3.モデルルームのような写真が掲載されている

家の売買や、不動産業者が管理している場合にはモデルルームの写真が掲載されていることがあります。しかし、個人で出している募集にモデルルームのような生活感のない写真が出ている場合は気を付けましょう。実際に几帳面な大家さんだったり、家具なしの物件だからそういう写真を出している場合もありますが、詐欺の場合もあります。実際に内見に行って確かめましょう。

詐欺に引っかからないために

詐欺物件に引っかからないよう、最低限気を付けたほうがいいことがあります。

  • 部屋を内見する前にお金を払わない
  • 大家と思われる人と匿名の電子メールアドレスでしかやり取りができない場合は注意
  • 相手を知らないまま、代金を振り込む段階まで進めない

特にポータルサイトではアカウント間のやり取りから始まります。最初は最低限の個人情報でやりとりが出来るので安全です。でもお金を払う段階になったのに、まだアカウントの情報しか教えてもらえない場合は注意しましょう。

ポータルサイトを介していても、①内見→②内見時や成約前に個人情報を交換 という流れが普通です。私もポータルサイトを使ってコンタクトを取って、その後内見するときに部屋に住む人、もしくは大家さんと連絡先や本名を交換しています。お金を振り込む相手を実際に知らないまま契約したことはありません。

少しややこしいのですが、大家さんには会えないという場合はあります。
WG(ルームシェア)の場合は、大家さんではなくその部屋を契約している代表者の Hauptmieterと呼ばれる人に会うことになります。基本はそのルームシェア物件に住んでいる人の誰かが Hauptmieterで、その人に他のルームメイトは家賃を払います。そして、 Hauptmieterが代表して物件の持ち主に家賃の全額を納めます。この形式では、あなたが大家さんに会うことがないかもしれません。
でも、Hauptmieterは大家さんと連絡が取れるはずです。お金の流れは明確でしょう。

このように、お金の流れと、誰が、どのようにという部分が明確であるのが通常の流れです。
そうでない場合は、一人で判断せずに周りに相談してから話を進めましょう。

希望の物件が見つかったら

コンタクトの取り方

物騒な話から始まりましたが、詐欺は遭ってからでは遅いので先に書きました。

ここから、部屋の内見に向けた話をしたいと思います。

上記のポータルサイトから希望の物件や部屋を見つけたら、コンタクトを取ります。
良い物件というのは希望者も多いので、ここでちょっといい感じのメッセージを送る必要がありそうですが、ポイントが2つあります。

ポイント1.募集内容に合ったメッセージを送る

私も今の家で3回ルームメイトを募集したことがあります。だいたい少なくても一日で30件くらいのメッセージが届きますが、その中でコピペだなというメッセージはすぐに分かります。
なぜなら、私たちが募集に際して書いた内容に一切触れていなかったり、またはまったく違うことが書かれていたりするからです。

そういうメッセージの人をキャスティングに呼ぶことはありません。相手は一緒に暮らす人を探しているので、少なくとも今住んでいる人に興味があるという意志表示があるといいと思います。

ポイント2.自分のことを短く紹介する

年齢と名前だけの短すぎるものだと、どんな人か分からないのでキャスティングに呼びずらいです。逆に一人語りのながーいメッセージも読むのが面倒でちょっと後回しになります。

自分がその街で何をしているのか、趣味や生活の上で大事なことなどがコンパクトにまとまっていると読みやすいです。

印象の良いメッセージの例文

Tomokoさん25歳、理系大学生の場合

Liebe ①——,

ich bin Tomoko, 25, aus Japan und beginne im September das Studium in Wien. In Japan spiele ich in einem Hobbyorchester, gehen gerne ins Kino, Theater und Konzert und am Wochenende bin ich derzeit oft in den Bergen unterwegs. ②Eure Wohnung schaut sehr gemütlich aus und die wg-Beschreibung klingt sehr nach dem, was ich suche. ③Ich bin tagsüber im Labor und bin deswegen nur abends zu sehen. Es bereitet mir eine große Freude abends was schönes zu kochen und das Essen mit meinen Mitbewohnern zu teilen. Harmonisches Zusammenleben ist mir wichtig und ich wünsche es mir in einer WG zu wohnen, wo sich alle gegenseitig respektieren und unterstützen 🙂

④Ich würde mich freuen, wenn ich vorbeikommen darf 🙂

Lg Tomoko

①のところには相手の名前を入れます。

②長さはこのくらいで十分だと思います。ポイントは、あなたたちの投稿ちゃんと読みましたよ!と反応している文:Eure Wohnung schaut sehr gemütlich aus und die wg-Beschreibung klingt sehr nach dem, was ich suche.(意訳:あなた達のフラット、とても居心地がよさそうで、私が探しているものにぴったり)

③あなたの生活リズムやルームシェアに求めることが書かれていると、自分たちに合うのか想像できるのでキャスティングに呼びやすいです。ここでは、昼間はラボにいるけど、夕食を一緒に食べたり、ルームメイトと一緒に過ごす時間が大事だということを伝えてます。

④最後の文言は見学を希望していることを伝えています。Ich würde mich freuen, wenn ich vorbeikommen darf

⑤Lg はLiebe Grüßeの省略です。

音楽が趣味のTaroさん28歳の場合

Hallo ihr Lieben,

①ich schaue mich gerade nach einer größeren WG um und habe euch gefunden!②Vielleicht schreibe ich euch kurz was zu mir. Ich bin Taro, 30 Jahre alt und Student an der Uni Wien. Seit Oktober bin ich in Wien, komme sonst aus Japan. Vor dem Studium hab ich eine Ausbildung als Elektroingenieur gemacht. ③Ich mache super gerne Sport, gehe Mountainbiken im Wiener Wald und liebe es Cafe zu trinken bei einem plausch in der Küche oder einfach ein Bier oder Wein. ④Seit 2 Jahren habe ich inzwischen WG-Erfahrung und liebe es einfach Menschen um mich zu haben, was nicht heißen soll dass ich nicht auch mal gerne eine Stunde für mich am Alexanderplatz lese oder Yoga mache. 🙂 ⑤Ich fand eure Beschreibung sehr sympatisch und würde mich echt freuen was von euch zu hören

Ganz liebe Grüße

Taro

①冒頭にひと言、ルームシェア物件を探していると始めています

②自己紹介

③趣味についてちょっと長めに書いています。もしルームメイト募集のポストに気が合いそうな人が住んでいることが分かっていたらアピールとして書くのもいいです。

④もしルームシェアの経験があれば書きましょう。

⑤共感することが多かったので、ぜひお会いしたいです!と伝えています。

このように、あまりかしこまった文でなくても大丈夫ですし、短くて問題ありません。
特にドイツ語や英語をがまだ不慣れであれば、そのまま書いてしまうのがいいと思います。文法や表現がネイティブっぽくなくても、内容が伝わればいいわけですから。大事なのは上手に書くことよりも、内容です。私も最初の頃に送っていたメッセージは、明らかにドイツ語初心者できたが、キャスティングに呼ばれないということはありませんでした。言葉が拙くても、きちんとコミュニケーションを取れるという意志表示が大事だと思います。

WGキャスティングに呼ばれたら

たいていのルームメイト探しでは、メッセージのやり取りで良い印象だった人を内見に招いておしゃべりをして知り合う機会を持ちます。WGキャスティングと呼ばれるものです。

キャスティングに呼ばれると、なんだか面接みたいな気持ちになって「選ばれたい」と気持ちが舞い上がるかもしれません。私がそうでした。

でも、お互いの相性を見る場なので一番大事なのは自分もその家と人を気に入るかです。
なので、あまり意気込まずに、普段のままで臨みましょう。日本人的感覚でお土産を持っていきたくなりますが、特にいりません。そして、きちんと聞きたいことをリストアップして行きましょう。

  • 家賃の支払い方法
  • デポジットについて
  • 退去や入居のルール
  • 大家さん/Hauptmieterについて
  • 契約書について
  • ルームシェアの雰囲気について

特に、滞在許可の申請や更新の予定がある場合は、大家さんのサインが必要になることがあります。
大家さんとの関係があまりクリアじゃなさそうな物件は、住んでいる人と気が合いそうでもやめておいた方がいいでしょう。

また、今住んでいる人達がどんなことを大事にしているのかを聞くのもお決まりの質問です。
みんなで夕食を食べることが多いとか、それぞれ個人の生活リズムを大事にしているとか。掃除当番を決めていたり、日曜日にみんなで一緒に掃除するという場合もあります。小さなことですが、毎日のことなので事前に自分と合いそうかチェックしましょう。

部屋探しをスムーズに進めるコツや相場

最後に、私の経験からお部屋探しのコツ少し。

ウィーンは大学がいくつか点在している学生の街でもあります。それゆえに、シェア物件は多いです。こだわりや予算にもよりますが、部屋探しはベルリンなどに比べると難しくありません。
長く見積もって、2か月あれば部屋は見つかるでしょう。部屋を退去するときも1ヶ月から遅くとも1ヶ月前には通達するのが普通です。もちろん契約書にその辺りも記載されているので、入居前に確認しましょう。

広さや地区にもよりますが、ルームシェアの一部屋の相場は300€~500€でしょう。
600€も払えば一人暮らしの部屋が見つかります。ただ、インフレで家賃も光熱費も右肩上がりです。特に光熱費に関してはすでに値上がりしていますから、光熱費込みの物件は1.5倍くらいになるかもしれません。

もし困ったことや分からないことがあれば、周りの経験者に意見を聞いてみてください。
私も一番最初のルームシェアは住み始めてから気になることが出てきて、色々な人に相談した経験があります。文化や様式が違う、不慣れな土地ですべてを一人で判断するのは大変です。そして分からないことがあるのは当たり前ですから、恥ずかしいと思わずに声に出して話してみる。これが実は一番のコツかも知れません。

よい出会いがありますように!

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