海外でルームシェアをしているというと、へぇ~オープンなタイプなんだねぇなんて言われます。
確かに、まったく知らない赤の他人と急に暮らすって日本にいたときは想像もしませんでした。というのも私は決してオープンなタイプではなく、どちらかというと…というか明らかに敏感なタイプです。そう、敏感さんってやつです。
それゆえに、けっこうルームシェアでは大変な思いもしました。
ですが経験を重ねるうちに、敏感さんな私でも条件が揃えばルームシェアの方がライフバラランス的にいいんだなということに気がつきました。今回はそんな経験を元に、敏感さんへのルームシェア物件の選び方のコツをシェアしたいと思います。
繊細さんには無理じゃない…
私は繊細だけど…頑固じゃないもん。ポイントを押さえたら、楽しく暮らせるよ
- 海外生活でルームシェアをお勧めする理由
- わたしのように敏感なタイプの人がルームシェアをするときに注意すること
- 物件選びのコツ
海外生活でルームシェアをお勧めする理由
言葉が話せるようになるまでのスピードが違う
私はルームシェアを始めてから格段に英語もドイツ語もレベルアップしました。それまでも職場や大学で英語もドイツ語も話して使っていましたが、案外使うボキャブラリーに偏りがあります。簡単に言うと特定の分野のボキャブラリーは豊富になりますが、日常生活で使う単語を知る機会がありません。
その点ルームシェアだと、例えば日用品を共有したりすると、モノをネイティブがなんと呼んでいるかを知る機会になります。どうでもよさそうで、これが案外役に立ちますし、誰か、特にネイティブと生活しないとそういうものに触れる機会は中々ありません。私も最初の頃は買い物を頼まれても、何のことを指しているのかよく分かりませんでしたが、慣れてくるとそういう、些細な細かい表現が身につくようになりました。
ルームメイトと友人の間には一つ明確に違うことがあります。
友人とは話したいことを話すのに対してルームメイトとの間には話さないといけないことというのが存在します。共有する生活費のこと、掃除分担や夕食のこと、とにかく多岐にわたります。そういう生活を通して、言い方や伝え方などのニュアンスを知ることができます。ネイティブのルームメイトは24時間あなたの語学の先生になり得ます。
そして日常生活のボキャブラリーを身につけると、その言葉をよりナチュラルに使えるようになります。私もそれまでチャットのドイツ語や英語が正しすぎて堅苦しかったのですが、今は“ネイティブっぽく”書けるようになりました。
文化を知るだけでなく体験できる
これもルームシェアをする前の話ですが、ホームパーティみたいなものに呼ばれたときにいつも何を持っていくのか本当に悩みました。というのも、こっちの人がどういうものを普段食べているのかとか、喜ばれるのか、ましてや何が流行っているのか、さっぱり見当もつきませんでした。
かといって、毎回日本にまつわるものだと、なんだか居心地が悪いし。
ルームシェアをすると、普段ルームメイトが買ってくるもの、一緒に料理するもの、食べるものから得る情報はとても多いです。生活を一緒にしているので些細なことをたくさん話します。このオリーブオイルすごく美味しいとか、このワインおススメなんだよねとか、このチーズどこどこで買ったんだけどいいよ!とか。新しいアプリやスポットを教えて貰ったり、それこそ一緒にカフェに行ったり、遊びに行くこともあるので大学や職場の人間関係では得られないことを吸収できます。
新し国の生活に馴染むにはルームシェアはとてもいい方法だと思います。
敏感さんがルームシェアをするときのコツ
インタビューで自分が譲れないことは正直に話しておく
ルームメイトを探す時にはキャスティング形式でよさそうな何人かと実際に合って話してから決まります。逆にこういうインタビューがない物件は詐欺の可能性があるので気を付けてください。普通に考えて、これから一緒に住む人に会わずにさらっと部屋を貸す人はいません。
私は今まで5件のルームシェア物件に住みました。そのうち4件では中々うまくいかないことがありました。どうしてか自分で振り返ったときに、私はいつも「選ばれようとして大事なことを話さなかった」ことに気がつきました。インタビューのような状況に呼ばれると、無意識に「選ばれたい」「Noと言われたくない」という気持ちが働いて、メンドクサイと思われないように協調性のある、なんでもOKな人を演じてしまっていたように思います。
でも実際はそんなことないですよね。
生活するうえで譲れないことがあるはずです。5件目のインタビューでは、それをすべて正直に話しました。ルームメイトは選ばられるだけじゃなくて、私も選ばないと上手くいかないんだということにやっと気がついたんです。
例えば、私は家にゲストがいつもやってくるのは疲れちゃうし、日中は静かなほうがいいし、キッチンもきれいな状態がいいです。そういうことを正直に話したので、逆に同じモットーのルームメイトたちに出会えました。小さなことですが、毎日のことなので大事なことはきちんと事前に話しておくことが大事です。根気よく探せば、そういう価値観が合うルームメイトに出会えると思います。
世代の近いルームメイトを選ぶ
友達になるのに年齢は関係ありません。ですが、ライフタイルというのは結構年齢と関係があります。
20代の学生だと人の出入りが多かったり、家で殆ど過ごさずに外泊や外食が中心だったりします。30代や仕事をしているルームメイトだと平日はわりと規則正しい生活をしていて、夜も家で一緒に食事をする機会があったり、週末にまとめて一緒に掃除したりするかもしれません。
ただ、落ち着いた人がいいからと自分よりだいぶ年上の人を選ぶと、それも結構難しいことがあります。これも実際に私の経験ですが、相手が母親のように色々口を出してくる人に当たったことがあります。食べ物や生活について口を出されるような年齢ではないのに、相手も私をかわいい妹のような気持ちで口を出してたりするので、あしらうのが難しかったのを覚えています。
もし選べるのであれば、自分の世代に近いルームメイトがうまくいきやすいと思います。
細かいけれど、これは結構大事だった物件を選ぶ時のコツ
これからめちゃくちゃ細かいことを並べます。繊細さんならきっと共感しもらえると信じて。
トイレとバスが分かれている物件を選ぶ
お風呂とトイレ一体型(ユニットバス)はおススメしません。一人暮らしだったら別に問題ないのですが、ルームメイトが、それも2人とか3人いる場合は本当におススメしない。朝シャンに30分とか籠られて、出かけたいのにトイレにも行けない、歯も磨けないって場合があります。私も一度このタイプの家に住んで、この問題にぶつかりました。かといって、シャワーしないでとも言えないし、わたしもトイレは我慢できないし。ストレス半端なかった。
バスルームとトイレの位置も大事
家の構造上、トイレやお風呂が個室に挟まれている場合があります。私はこのタイプの物件は避けます。水が流れる音って結構うるさいです。シャワーはまだ深夜に浴びないとかルールが作れますが、トイレだと仕方が無いので改善のしようもありません。こういう音に敏感な場合はトイレの位置をさらっとチェックするといいと思います。
ちなみに私は誰かが使ってうるさいのが嫌というよりも、自分が深夜に使いたいときに気を使ってしまって疲れちゃうというのが理由です。気にしすぎと言われたらそれまでなのですが、まぁだから繊細さんなんだってば…というわけで、私の今の物件はトイレなどの水回りとそれぞれの個室は離れているので、快適です。
玄関横の部屋は避ける
一人で暮らしていると気がつかないのですが、人数が多いと玄関の出入りが頻繁になったり、ましてや深夜に帰宅するタイプの生活をしている人がいると起こされたりします。廊下の音が漏れ聞こえてくる場合があるみたいで、それが理由で引っ越しをした友人もいました。
ご近所さんについての情報も聞いておく
ルームメイトが静かでも、ご近所にうるさい人が住んでいることもありえます。すでに住んでいるルームメイトにさらっと聞いておくといいかもしれません。私の家も、一部屋だけ日中うるさく感じる部屋があります。上の階に小さい子供のいる家族が住んでいて、子供部屋が上にあるその部屋は、子供の足音がうるさいんです。でも相手は子供なので、夜には寝静まって静かになるのですが…。今その部屋を使っている子は日中はオフィスにいるので、問題なさそうでが、ホームオフィスをするタイプだと気になると思います。
一年更新の物件を選ぶ
ルームシェアの長期契約はあまりおすすめしません。というのも、ルームシェアは人が入れ替わります。その移動の手軽さもあってルームシェアを選んでいる人が多いので、仕方のないことです。ルームメイトが3年、4年変わらない物件というのはそうそうありません。新しい人が入ってくること、もしかしたらその人と合わないかもしれないことを想定して契約期間は1年くらいの更新制がいいと思います。
敏感さんでもルームシェアは出来る、でも無理はしない。
かつて私も、自分が敏感なことは悪いことなんだと自分を責めていた時期があります。もっと大雑把になんでも大丈夫な人の方が人間力が高くて、どこでもやっていけて、羨ましいとすら思っていました。今でも、気にしないようにする練習は続いていますが、それでも自分の根っこの部分は変わりそうもありません。
海外の人は気が使えないとか空気が読めないと思う方がいるかもしれませんが、そんなことはありません。私には自分と同じように、自分自身の繊細さに悩んだりする友人が沢山います。つまり国籍や生まれ育った場所に関係なく、そういう感覚を共有できる人には出会えます。
いちばん大事なことは、無理をしないことです。
自分がしんどく感じそうなことで避けられそうなことをきちんと避ければ、居心地のいい場所が見つかると思います。
カナダでのワーキングホリデーや留学中のルームメイトとのエピソードははてなブログでも更新中です。よろしければ覗いてみてください。