人生100年時代、昨今は30代から海外に出て新しいことに挑戦する方も多いと思います。
大人留学なんて言われていますが、わたしもそんな一人です。
なんかそうなっちゃっただけで、別に100年時代とか見据えてなかったくせに…
ばっばれている…
私のような無計画な大人の話は置いておいて、何か思うことがあって海外に出るという選択を考えている30代以上の大人留学生のみなさんに海外生活の住処について私の経験から役立つことがあるといいなと思い今日の記事を書いています。
というのも、語学留学やなにか専門分野のスキルアップのための海外生活を考えている方が多いと思うのですが、海外留学情報って多くが10代から20代をターゲットにしていてちょっと違うんだよ…と思うことありませんか?そもそも、大人の私がホームステイってどうかな?みたいな。
今回は大人留学生の仲間のみなさんへ向けて、海外生活の滞在方法についてお話ししようと思います。
生活の場は毎日のことなので、自分が合いそうだなと思う方法を選べるお手伝いになれば嬉しいです。
海外生活の滞在方法には大きく分けて4種類ある
日本のスタンダードは単身者なら一人暮らしか、実家暮らしの二択が多いと思います。
海外で生活を予定した時はざっくりわけて4種類あると思います。
- ホームステイ
- 学生寮
- ルームシェア
- 一人暮らし
まずは一つずつ、簡単に特徴とメリット、デメリットを見てみましょう。
ホームステイのメリットとデメリット
ホームステイは読んで字のごとく、どこかの家庭の一部屋を借りてお世話になる方法です。昭和であれば下宿みたいな状態と近いかもしれません。部屋の家賃と食費を払うところ、食費なしで食事は自分で用意するパターンと、受け入れる家庭ごとにルールが異なる場合が多いです。
メリット
もし気さくで面倒見の良い家庭に当たれば、現地の生活に馴染む基盤を作ることが出来ます。
24時間その国の言語で生活すると、語学力はぐんぐん伸びます。特に、最初の頃はその言語で話し始めるまでに時間がかかると思います。間違えたらどうしようと気になってしまって、消極的になるのは普通のことです。でもホームステイだと24時間ずっと押し黙っているわけにはいかないので、どこかでその壁を越えられるかもしれません。
また、食事付きで受け入れている家庭も多く、現地の食文化に触れることが出来ます。相性が良ければ、休日に一緒に出掛けたり、食後にみんなで映画を見たりと、よく目にする「the 海外生活」を体験できるかもしれません。
- 24時間、勉強している言語を練習できる
- 現地の文化を知ることができる
- 食事付きなら料理をする必要がない
デメリット
デメリットは、当たり外れが大きいということです。ホームステイが良いものになるかどうかはもはや運です。私の聞いた話でとても興味深かったのは、同じホームステイ先に別の期間に滞在した2人の感想が正反対だったことです。
そのお家は奥様が日本人で、日本からのホームステイを沢山受け入れていました。
一人目は家に帰ると日本人が居るという環境と、家族がいる人の生活リズムに合わせるのがストレスだったと言っていました。二人目は、夕食後に奥さんとお茶をしてその土地のことを教えて貰ったり、子供と遊んだりして英語を話せてともて楽しかったと言っていました。
同じ滞在先でも、感想が異なるように、どれだけ気さくな家庭に当たっても合わないことはあります。
さらに、ホームステイをビジネスにしている家庭もあります。
ビジネスなので、滞在するあなたにはさして興味が無く、家族の中で生活しているのに疎外感を感じる場合もあります。
言葉が覚えられると思っていたのに、上手くかなかったというパターンでは、家で話されている言語がが現地語と異なる家庭に滞在することになった場合です。英語を勉強しに行って、家に帰るといつもロシア語が飛び交っていて、むしろロシア語に触れている時間の方が長かった子がいました。この家も、ホームステイをビジネスでしていたので、仲介の人には適当に良い情報だけを出していました。
他にも、食文化が合わないと大変な思いをします。たぶんキッチンや冷蔵庫が一つしかないからか、料理を提供して食費も滞在費に加算されるタイプのホームステイ先は多いです。
語学学校で、友達がランチにパンとジャムしか持たせてくれないとぼやいていたのを見たことがあります。日本人からしたら、これってどうなんだろうと思うかもしれませんが、案外現地のランチボックスの定番だったりします。別に意地悪や手抜きをしているのではなく、そういう食文化なのです。週に3回もマカロニチーズが出てくる家に当たった子が、日本に帰るまでに激太りしそうと言っていました。
ただ、これは日本人が三食温かいものを食べたり、献立が日替わりなのが珍しいのかもしれません。悪気が無いことに文句を言うわけにもいかないので、結構これはストレスになると思います。
- ビジネスでホームステイを受けれいている場合、交流がすくない
- 言語を学ぶという環境が整っていない
- 食事の文化が合わないのに、食費を払わなければいけないことがある
学生寮のメリットとデメリット
大学など、正規留学生が選択することが多いのが学生寮です。滞在できる条件に語学学校なり、大学やカレッジの学籍登録を求められるので、必然的にそこで知り合う人は学生に限定されます。学生寮は家賃に幅があります。相部屋タイプが一番安く、バストイレとキッチンまで部屋の中に用意されたシングルタイプが一番高いです。
メリット
学生寮のメリットは、同じように勉強しに来ている子たちなので、生活リズムが合いやすいかもしれません。キッチンが共用であれば、一緒に料理をしたり、食後に宿題を一緒にしたり。
寮でイベントを企画したりしていて、人との交流が持ちたい人はいいかもしれません。
また、学生であれば大抵契約できますし、日本からもウェブだけで手続きが完了するパターンが多いので手配がしやすいです。相部屋でも構わなければ費用も抑えられます。
家具付きの部屋が基本だと思うので、日本から到着してその日にすぐに生活ができます。
- 同じ目的の友達ができる
- 契約の手続きが割と簡単
- 到着してすぐに生活できる
デメリット
デメリットとしては、比較的週末がさわがしいことでしょうか。早寝早起きの人には学生主体の生活場はリズムが合わないことがあるかもしれません。
もう一つは、契約期間がロックされているというのがあります。学生寮なので又貸しなどできませんし、そういう意味で滞在期間中に何かしら理由があって寮を出たいと思っても、難しいです。
さらに、これは英語圏外の人に当てはまりますが、寮での公用語が英語という場合が多いです。例えばドイツ語やフランス語、イタリア語など英語以外の言語を学びに来たのに、家に帰ったらずっと英語ということは多々起こります。学生寮の形態によりますが、ネイティブも利用する学生寮なのか、留学生だけなのかというのは事前にチェックしたほうがいいかもしれません。
- 学生生活のリズムなので週末など夜間騒がしいことがある
- 契約期間の融通が効かない
- 別の言語が公用語として使われていることがある
ルームシェアのメリットとデメリット
数か月の短期滞在者や海外生活が初めての場合は最初に選ばないタイプの滞在ですが、欧米圏ではとてもポピュラーな居住形態です。年齢も関係なく、学生だけでシェアしているタイプから、仕事をしている大人の人で家が広いから貸し出して、ルームメイトと暮らしているというケースも多いです。
メリット
メリットは、選択肢の幅の広さです。日本では一部それに特化した運営会社が経営しているシェアパートがありますが、特にヨーロッパでは個人がルームメイトを探すのが主流です。お互いに合意すればいいので、契約形態も、滞在期間も、家賃も、とにかくバラエティに富んでいます。それゆえに、時間をかければ自分にぴったりの条件の滞在先を見つけることもできます。
現地に根差して生活してみたいという場合には、一番向いている滞在方法です。ホームステイと違って、気の合いそうなルームメイトを選ぶこともできます。友達と暮らす感覚に近いので、一緒に夕食を作って晩酌したり、映画を見に行ったりと日常のアクティビティを一緒に楽しむことが出来ます。
全体的に、長期滞在者にとってメリットの多い生活スタイルだと思います。
- 選択肢が豊富
- 気の合うルームメイトなら友達と暮らす感覚で楽しめる
- 長期滞在者向け
デメリット
デメリットとしては、良い物件を見つけるまでに時間がかかることが挙げられます。
赤の他人と急に暮らすので、物件選びは慎重になると思います。また良い物件ほど、希望者も多いので、中々部屋が決まらないということもあり得ます。
また、ルームメイトがいる生活に不慣れだと最初は色々と不便に感じるかもしれません。
フレキシブルが故に、入れ替わりも多いのがルームシェアです。最初に暮らし始めたメンバーが2年後は総入れ替えなんてこともあります。ヨーロッパは国単位での移動が簡単なので、特に学生はセメスター単位で移動する人もいます。
- 良い物件に出会うまで時間がかかるかもしれない
- 気が合ったルームメイトでも一緒に長く暮らせるとは限らない
- 他人と暮らすのに抵抗があると、慣れるのが大変
一人暮らしのメリットとデメリット
日本の一人暮らしと一緒で、物件自体を自分名義で賃貸契約するタイプです。間に不動産業者が入る場合と、大家さんか直接借りるタイプがあります。
メリット
何と言っても、もっとも自由度が高いのが一人暮らしです。NYやロンドンでなければ、東京より安い家賃なのに広い場所で暮らせるかもしれません。一人の時間が大事な人や、逆にいつも自分の友達を家に招きたいタイプの人もルームメイトがいない、一人暮らしがいいでしょう。
- 自分の好きなように生活できる
- 人を家に招くのが好きな人向き
デメリット
デメリットというよりも、ちょっとハードルが高いのが一人暮らしの物件をきちんと選ぶことかもしれません。特に日本から遠隔で海外の物件を契約するときは詐欺物件に引っかからないように気を付けてください。
一人暮らしだと、暮らし始めてからもすべてのことをある程度一人で処理しなければなりません。電気やガスに不具合が出たり、水回りのトラブルなど築年数が古い物件や大家さんがきちんとメンテナンスをしていないと日本では考えられない頻度でトラブルに見舞われたりします。そういう場面で誰かに頼ることもできますが、ある程度は自分で対応できる語学力は必要かもしれません。
あとは、退去後にトラブルが起きがちなのも一人暮らし物件かもしれません。実際に退去後に修理費用という名目でお金を請求されたという友人の話を聞くことがあります。
すべてに共通しますが、条件の良い物件であることと同時に、良い大家さんであることが命運を分けるのが一人暮らし物件かもしれません。
- 良い物件を見極める目が必要
- 住居のトラブルに対応できる程度の語学力が必要
- 退去後にトラブルが起きる可能性もある
30代以上の大人留学におすすめなのはどれ?
私がおすすめする30代以上の大人留学生の滞在方法はツーステップでいくコンビ
というのも、30代だからこれはダメという理由があるのではなく、人生経験豊富な分、こだわりがあるだろうというのが大人留学生の特徴だと思います。
別に30代以上でも学生寮などでワイワイと20代の混ざれる人もいるでしょうし、一人の時間よりも常に人と行動したいというタイプも居ると思います。
そんなの、年齢関係なくみんなそうじゃね?
そうなだけど、私が言いたいのは、社会人経験のある人は決断力が学生経験が無い人よりあるよねってことなんだ!その決断力を生かして、2ステップで滞在先を選ぶといいと思うんだ!
そう、一番のポイントは大人留学生には少なからず社会人経験があるだろうということです。
別にバリキャリとかそういう話ではありません。家庭で子供の面倒を見てきたお母さん業に集中していた人も当然、判断力は学生だけの子よりあります。経歴の話ではなく、酸いも甘いも噛み分けてきたよねってことです。あぁお疲れ様です…
そんなわけで、こだわりもあるでしょうが、その分、決断力もあると思うのです。合わなければ次!という決断ができるという強みを生かして、段階を踏むのがいいと思います。
ステップの作り方
ステップ1.安全に契約できる短期滞在場所
まずは、日本から手配する必要があると思うので一番安全で確実な方法をファーストステップにしましょう。
最初のステップに最適なのは、学生寮かAirbnb、そしてサブレットです。
もし語学学校の提携で寮があって、2か月くらいの契約が可能であれば、学生寮でもいいと思います。最初のステップは簡単に言うと、現地で次の場所を見つけるまでの仮滞在場所です。そういう意味でAirbnbも支払い形態がシンプルですし、鍵のある部屋を選べばホテルと変わりませんし、ホテルよりは割安のはずです。
サブレットはその部屋の持ち主が、長期間部屋を空けている間だけ借りることが出来る部屋です。持ち主が返ってくる前提なので、期間があらかじめ決まっていますが、家具付きの物件で生活に必要なものが揃っています。日本では、家を空けるからって人に貸すというのはあまり馴染みが無いかもしれませんが、ヨーロッパではごく普通のことです。
サブレットはルームシェア形式もあれば、一人暮らしもあります。最初から一人暮らしを希望しているのであれば、サブレットで現地に入って、自分の理想の部屋を探すのがいいと思います。
ステップ2.滞在のイメージに合う場所
2か月から3か月程度で現地の生活に慣れてくると思います。ご自身の語学の程度も見えてきて、どういう生活が自分に合っていそうかイメージできるのではないでしょうか。
30代以上とか、年齢に区切りをいれて書き始めましたが、正直に言えば、どんな方法でもあなたに合えばそれが一番です。学生寮のような年下の人とワイワイする機会が逆に日本ではなかったけれど、違う国に行ってみたら、そんな時間が楽しいかもしれません。そしたらワイワイ楽しめそうなルームシェアを探してみてもいいと思います。
自分主体で生活するのが心地いいのであれば、一人暮らしの家探しもいいでしょう。
実は私は海外生活では一人暮らし以外の3つの滞在経験があります。どれも30代になってから経験しました。そしてその経験から「相性がよければ実はどれでも、大丈夫」だと言えます。
滞在先で苦労するのは、相性が悪い時と、詐欺まがいの物件を掴んでしまったときです。そしてそのどちらも共通する原因の多くは「実際に面識が出来る前に選んでしまった」ことです。そういう意味で、住む場所は現地で選ぶというのは外せない条件ではあります。
学生さんなどで、ご家族の支援で留学する場合は滞在先が分からないという状態で送り出してもらうのは難しいと思うので、このステップ形式はあまりおすすめできません。ですが、自分の資金で計画を立てて移動を検討している社会人であれば可能な方法だろうと思います。
実は年齢は関係ないけれど…
タイトルを読んで記事を開いてくれた方は、もっとこう「若くないんだから学生寮はやめましょう」とか「ルームシェアは大人には無理」とか、そういう記事をイメージしたかもしれません。
私もそんな風に何かはっきりとした結論があればいっそ楽なのにとは思います。でも私がこの記事でお伝えしたいことは、どんな滞在方法にもメリットとデメリットはあって、一番大事なのは自分でアレンジしていく決断力です。そして大人のあなたなら、自分自身に合うスタイルが選べると思います。
もしかしたら、社会人を経て留学や海外で何かすることに不安があるかもしれません。でも、少なくともあなたには、日本で働いたり、子育てをしてきたあなたには素晴らしい経験値と判断能力があります。年齢に囚われるというネガティブな道ではなくて、色々なことが決められるようになったんだ。知ろうと自分で調べたりできるようになったんですから。だから、こんな辺鄙な私のサイトまでたどり着いてくださったわけですし。
家や部屋選びは、日本でも海外でも運の要素はあります。
大事なことは、日本以上にアンテナを立てて、安全な道を選ぶことです。
ドイツ語圏でお部屋探しや詐欺物件など詳しい解説は、こちらの記事へ